LibreOfficeで仕事はサクッと:LibreOfficeの可能性!ー過去記事(修正)

LibreOffice普及への日本の態度!


すばらしい、オフィススイートのLibreOffice。

僕はワープロや表計算、プレゼンテーションなどは、すべてLibreOfficeでまかなえると思っています。

今回は、日本におけるLibreOfficeの導入の経過を調べてみました。

久喜市が庁内PCにLibreOfficeを採用 従来のライセンス料金680万円の削減へ

全国の自治体で、無償で使用できるOSS(オープンソースソフトウェア)の 「LibreOffice(リブレオフィス)」の導入が進んでいます。Microsoft Officeと同じようにワープロ、表計算などのソフトで構成されており、福島県会津若松市が全庁舎内のPCに使用を開始しました。日本OSS推進フォーラ ムも2012年12月21日、ソフトを収録したCDやDVDを震災被害からの復興支援に取り組む団体や個人に無償配布しています。

さらに、

Microsoft Officeと高い互換性 会津若松市で導入がスタート

自治体で使うすべてのPCに有償ソフトをインストールすれば、ライセンス料にかかるコストは決して小さくありません。少しでも業務に関わるコストを削減するため、会津若松市などで導入が進んできたのがOSSでした。

同市では、5年で1,500万円のコストを削減するため、2008年から市役所内のPC約840台にOSSである「OpenOffice.org」を導入しました。しかし、開発元だった米Sun Microsystemsが米Oracleに買収されたことをきっかけに開発主体が変更となり、開発やリリースが停滞してしまったのはご存知のとおりです。

そこで各自治体ではOpenOffice.orgから、Microsoft Office(以下、Office)と高い互換性があり、見た目や操作感でOpenOffice.orgとの差が少なく、開発体制が安定している LibreOfficeへと切り替える傾向が強まっていきました。

いまでは、オフィススイートとして、LibreOffice  会津若松市でも、2011年3月からLibreOfficeの評価を行い、「Officeとの互換性が高く、バージョンアップも活発に行われていると判断し、移行に踏み切りました」(会津若松市情報政策課 本島靖氏)という。同市の事例を参考として、LibreOffice導入に踏み切る自治体も増えていった。埼玉県久喜市もそのひとつでした。

当時、久喜市では、LibreOffice採用に踏みきったきっかけを「どこの自治体でも、財政難を解消するために知恵をしぼっています。当市でも、有償のソフトを使っているPCを無償のOSSに切り替えることでコストを削 減する検証に入りました」と久喜市管財課システム管理係・木村明信氏が語っています。庁舎内で使用している約1,000台のPCのうち、まず 2011年度更新のPC100台でOfficeとLibreOfficeを併用し、5カ月間の検証を行いました。

さらに、職員30人の検証アンケー トの結果、OfficeとLibreOfficeのソフトウェアの互換性が完全ではないことや、操作方法や保守などに対するメーカーサポートが無いなどの 課題はあるものの、「がんばれば利用できる」との判断が下されたそうです。2012年度に更新する200台のPCからLibreOfficeを導入することに決めています。

当時、「Officeが2003から2007に切り替わったときに人によっては使い勝手に違和感を抱いたように、互換性が高いといっても慣れるまで多少の戸惑い はあったようです。事務処理の書式にしても、従来のものを100%そのままで移行できない部分もありますので、一つひとつ見直しながら導入を進めていま す」(木村氏)と方針を示しています

同市では、2012年度更新分のPC200台にLibreOfficeを導入したことで、本来かかるはずのOfficeのライセンス料金約680万円を削減できると見込んでいる。残りのPCについても更新時に徐々に導入していきたいといっていました。

「ただ、他の自治体や国との間でやりとりする文書に関しては、まだOfficeを使用しているところが圧倒的に多いので、すべてのPCにLibreOfficeを採用するわけにはいきません。何割かは残し、うまく使い分けていくことになると思います」(木村氏)とも述べています。

その「久喜市」のウェブサイトを見てみると、LibreOffceの情報は掲載されていません。

たぶん、MS Officeに戻っていまったのではないかと予想できます。

同じように、オープンソースを大々的にとりあげ、僕も参考にしていた、「徳島県庁」のウェブサイトは、オープンソースによるCMSは公開されてはいるものの、LibreOffceの項目を見つけることはできませんでした。

一方、静岡県の西湖市は「オープンソースのオフィスソフト「LibreOffice」について」とのページがあり、次のように記述しています。

湖西市では、オープンソースのオフィスソフト「LibreOffice(リブレオフィス)」を導入しました。

今後、市で扱う文書ファイルを徐々に「オープンドキュメント形式」に移行していきます。

目的

無料であるため、職員の利用する端末へのオフィスソフト購入経費を削減できます。
市のオフィス文書を国際標準規格の「ODF(OpenDocumentFormat)形式」にしてまいります。
市が利用者に配布するオフィス文書をODF形式にすることで、利用者がオフィスソフトの購入費用をかけずに、配布文書を利用することができます。



また、「会津若松市」のウェブサイトもオープンソースの利点を明記しています。

会津若松市ではオープンオフィスで業務を行っています

会津若松市では、2008年10月より、パソコンで文書を作成する際の形式を、国際標準規格であるオープンドキュメント形式に定め、運用を続けています。
庁内では約840台のパソコンが稼動しており、その全てにオープンオフィスがインストールされています。



LibreOfficeなどのオープンソースを導入し続けている組織と、MS Officeに戻ってしまった組織のどこに違いがあったのでしょうか?

この現象を読み解くうえで、参考になったのが次の記事です。


台湾で進行するLibreOffice導入、「完全移行を強いないのがコツ」

2016年の「LibreOffice Kaigi」でFranklin Weng氏の講演では、次のようにレポートしています。

台湾の状況が大きく変わったのは2014年、イギリス政府が編集可能なドキュメント形式としてODFを標準とする、というニュースが出たときだそうです。2015年には台湾の宜蘭県で、Weng氏らの支援のもとに自治体によるLibreOfficeへの移行が進み、それを同年のLibreOffice Conferenceで発表し、その反響をもとに中央政府に働きかけるという手法をとったそうです。

大事なのはコミュニケーションプラン

講演中、Weng氏が特に時間を割いていたのがコミュニケーションプランについてでした。

コミュニケーションプランとは、LibreOffice/ODFの移行において、推進担当者やユーザーとどのように対話していくべきかという戦略のことです。

単に「移行しなさい」というだけではうまくいかず、「なぜLibreOffice/ODFに移行すべきか」を考えてもらい、共有することが重要です。そのために「OOXML vs ODF」「オープンな標準」「国際的な標準」という三つの視点を提供しているそうです。

「OOXMLはISO標準であるから、ODFと同じでは」というよくある意見については、「OOXMLは後方互換製のない変更を繰り返しており、最新のOOXMLを扱えるのは常に最新のMS Officeでしかない」ため、政府で利用するには大きな問題があるということを強調しています。

ソフト製品とは「態度」が違う

また、Weng氏は「Attitude(態度)」についても言及しています。

導入されたオープンソースに不満を持つと「だからダメなんだ」と抵抗する人も少なくありません。では独占的ソフトウエアで不具合が起きたときにはどうだ、「この不具合を報告する」ボタンを押して不具合が修正されたことがあるか、誰も「何も変わらないから」報告なんかしないだろうという発言しています。

これに対して、オープンソースでは問題を自分たちのものとして報告し、改善に働きかけることができるということ、「Make it better together(一緒にいいものにしていこう)」という態度が大事だ、と論じています。

日本での、オープンソースのあり方を考えるべき、よい情報にめぐり逢うことができました。

「LibreOffice」にリモートからローカルデータの盗み見を許す脆弱性、修正版が公開!

The Document Foundationは2月9日、「LibreOffice」にリモートから任意のファイルが開示されてしまう脆弱性(CVE-2018-1055)が存在することを明らかにしました。同時に、修正を施したv6.0.1/v5.4.5がリリースされています。

「LibreOffice」に含まれる表計算ソフト「Calc」は、URLで指定したリモートデータを取得する「WEBSERVICE」関数をサポートしています。

旧バージョンの「LibreOffice」では、この「WEBSERVICE」関数にローカルファイルURL(file://)を指定することが可能となっていますが、ローカルデータを読み取って後続の数式に渡し、それをもとにリモートURLを構築するといった手法で、意図せず外部からローカルデータを読み取られてしまう可能性があったようです。

最新版の「LibreOffice」では、「WEBSERVICE」関数で利用できるURLを「Calc」のリンク管理インフラストラクチャーで管理し、プロトコルを“HTTP”と「HTTPS」に制限することでこれを解決していると報告しています。

このようにLibreOffice 6.0 が公開されて、すぐに脆弱性を修正した 6.0.1が発表できるのも、オープンソースであればこそ。だと思うのです。

このような脆弱性への対応の早さや、ODF形式の有用さを、もっと主張すべきかもしれません。財政面の負担軽減だけが強調されると、「無料だからやっぱり良くない」などと変な論理になってしまいます。


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